[資料]　電動/エア工具はつりの適否について


電動ピックは、
近くに電源さえあればすぐに作業可能という手軽さから
少量かつ軽微なハツリが広く点在する現場に適しています。

ただ、電動モーターの回転運動を往復運動に変換し打撃する関係上、
大型の割に弱い打撃力やレスポンスの悪さ、連続使用時の耐久性にも限界があるため

削り深さが概ね30mmを超えるものや、ハツリ箇所が局所に集中してある場合は
より効率のよいコンプレッサはつりをお勧めします。



エア式チッピングハンマー(エアチッパー)は、
圧縮空気が直接ピストンを往復させのみを打撃するため、
強力で作動の歯切れも良く、雨天や水周りでも使用可能です。
一般には、「エア式＝強力」→「破壊的」との誤解もありますが、
手馴れた斫工であればレバー(エア流入量)の指加減によって
電動ピック以上に繊細なのみさばきまでこなします。

[図�@:削り深さで見た電動ピックとエアチッパーの仕事量の比較イメージ]



[写真�@:電動ピック(写真最下)とエアチッパー各種。]



さらに厚みのあるコンクリートとなると、ブレーカを使用する必要があります。

C/P斫工の常備品であるエア式ハンドブレーカは、
手持ち式としては最も破砕能力に優れています。

[図�A:削り仕事における各エア工具選定の深さ目安と仕事量の比較イメージ]




[図�B:コンクリート版の貫通解体における各エア工具の厚み限度と破砕能力比較イメージ]
追記：近年普及しつつある【35番ブレーカ】は30番ブレーカ比で約2割増の破砕力となります。




[写真�A:30番ブレーカによる壁厚250mmの開口はつり。
　残し部分との境界には、充分なカッター目地を表裏に入れることで
　欠損やクラックを防ぐことができます。]